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2025.09.04

【住宅ローン減税と性能住宅の関係】長期優良住宅・低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の違い

#不動産購入#コラム
長期優良住宅 低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅

家を建てる・買うときに気になるのが「住宅の性能」
国は住宅の省エネ化や長寿命化を進めており、住宅の性能によって住宅ローン減税などの優遇も変わってきます。

この記事では、代表的な区分である

  • 長期優良住宅・低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅
  • その他の住宅

の違いをわかりやすく整理します。


それぞれを分けるためのポイント

判断の軸になるのは次の2つです。

  1. 断熱等性能等級(断熱等級)
     → 家の「熱が逃げにくい度合い」を示す。

  2. 一次エネルギー消費量等級(一次エネ等級)
     → 家全体の「エネルギー効率」を示す。


断熱等性能等級(断熱等級)とは?

  • 窓・壁・屋根・床などから熱が逃げにくいかどうかを数値化。

  • 等級が高いほど、冬は暖かく、夏は涼しい家。
    • 等級4 … 省エネ基準の必須ライン(2025年以降の新築は全て必須)
    • 等級5 … ZEH水準の目安



一次エネルギー消費量等級(一次エネ等級)とは?

  • 冷暖房・給湯・照明・換気などのエネルギー使用量を評価。

  • 「省エネ設備」を入れることで改善できる。

  • 等級が高いほど、効率の良い省エネ住宅
    • 等級4 … 省エネ基準の最低ライン
    • 等級6 … ZEH水準

一次エネ等級に関わる「省エネ設備」とは?

  • 冷暖房設備
  • 換気設備
  • 給湯設備
  • 照明設備
  • 太陽光発電
  • 家電など



それぞれの住宅の解説(性能比較表)

区分断熱等級一次エネ等級概要
長期優良住宅等級5以上等級6長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅
低炭素住宅等級5以上等級6日常生活において発生する二酸化炭素を抑制するための措置が講じられている住宅
ZEH水準省エネ住宅等級5以上等級6消費エネルギーから省エネ・創エネしたエネルギーを差し引くと、使用したエネルギーがゼロ以下になるような住宅
省エネ基準適合住宅等級4等級4建築物が備えるべき省エネ性能の確保のために必要な建築物の構造及び設備に関する基準を満たした住宅
その他の住宅基準未達基準未達省エネ基準に届かない住宅。




税制優遇の違い(住宅ローン減税)

新築住宅

区分借入限度額
(子育て世帯)
借入限度額
(その他世帯)
控除期間
長期優良住宅
低炭素住宅
5,000万円4,500万円13年
ZEH水準省エネ住宅4,500万円3,500万円13年
省エネ基準適合住宅4,000万円3,000万円13年
その他の住宅(新築)0円0円


既存住宅(中古住宅)

区分借入限度額控除期間
長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円10年
その他の住宅(既存)
※1982年(昭和57年)以降に建築された新耐震基準
2,000万円10年



まとめ

  • 長期優良住宅:国が認定する「長持ちする家」。耐震・省エネ・バリアフリーなど幅広い条件を満たすことで、資産価値の維持・税制優遇を受けられる安心感が特徴です。

  • 低炭素住宅 :エネ性能に加え、太陽光発電などの再エネ設備や節水・緑化などの環境配慮を取り入れることで認定される住宅。環境に優しい暮らし+優遇制度が魅力です。

  • ZEH水準省エネ住宅 : 光熱費を抑え、快適さを高める“ワンランク上”の省エネ住宅。再エネ導入は任意ですが、2030年には新築の標準基準となる見込みです。

  • 省エネ基準適合住宅 : 2025年4月以降、新築住宅にはこの省エネ基準への適合が義務化される必須ラインです。

  • その他の住宅 :上記の基準を満たさない住宅。



住宅の性能レベルによって、暮らしの快適さだけでなく、税制優遇にも大きな差が生じます
制度の内容を「知っているかどうか」で、将来の負担や手取り額に大きな違いが出るケースも少なくありません。

当社では、必要に応じて提携する専門士業の先生をご紹介することも可能です。
「自分の場合はどうなるのか?」と気になった方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。