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2025.07.25

土地価格の「一物四価」とは?不動産取引・相続で知っておきたい基礎知識

#不動産売却#不動産購入#コラム
土地価格の「一物四価」とは? 不動産取引・相続で知っておきたい基礎知識

土地を売買するときや、相続・贈与、税金の計算をするときには必ず「土地の価格」が関わってきます。
しかし、ひとことで「土地の価格」といっても、実は一つではありません。

不動産業界では、同じ土地に複数の価格が存在することを「一物四価(いちぶつしか)」と呼びます。
つまり、同じ土地でも「4つの異なる価格」があり、それぞれの算定方法や役割が違うのです。


実勢価格

  • 意味市場で実際に取引される価格
  • 特徴国や自治体が決めるのではなく、需給バランスや土地の条件(駅距離・形状・接道条件など)で変動します。

☞「売り出し価格」も実勢価格をベースに、売主の希望や販売戦略が加味されます。

公示価格

  • 意味:国土交通省が毎年3月に公表する土地価格の基準
  • 特徴:不動産鑑定士の評価に基づき「標準地」の価格を1㎡単位で示します。
  • 用途:土地取引の目安、公共事業の用地取得価格など。

☞こちらのサイトが見やすくておススメです!土地代データ

固定資産税路線価

  • 意味:固定資産税や都市計画税を計算するための価格
  • 特徴:市区町村が3年ごとに見直し、公示価格のおおむね70%前後が目安。
  • 確認方法:毎年5〜6月に届く「課税明細書」で確認できます。

相続税路線価

  • 意味:相続税や贈与税を計算するための価格
  • 特徴:国税庁が毎年7月に発表し、道路ごとに1㎡単位で設定。
  • 目安公示価格のおおむね80%前後が目安。土地形状や角地か否かなどで補正が入ります。

※公示価格、固定資産税路線価、相続税路線価は、こちらのサイトからも確認できます。
全国地価マップ


一物四価の水準比較(目安)

種類主な用途水準の目安
実勢価格実際の売買価格100%(基準)
公示価格取引指標・公共事業実勢価格の90%前後
相続税評価額(路線価)相続税・贈与税公示価格の約80%
固定資産税評価額固定資産税・都市計画税公示価格の約70%



まとめ:大切なのは「どの価格を使うか」

土地価格は「どれが正しいか」ではなく、目的に応じて使い分けるものです。
不動産取引や相続、税務で混乱しないためには、一物四価の意味と役割を理解しておくことが大切です。

とはいえ、実際の不動産売買においては、実勢価格の見極めが何よりも重要です。

不動産は定価がない商品であり、実勢価格には絶対的な基準が存在しません。
エリアの需給や物件条件によって大きく変動するため、正確に把握するには専門的な知識や最新の市場データが欠かせません。

土地の価格や売却・相続に関する具体的なご相談は、ぜひ HEIBEI不動産までお問い合わせください。