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2025.09.16

土地売却のお悩み「建物は解体する?そのまま売る?」

#不動産売却#コラム
土地売却のお悩み「建物は解体する?そのまま売る?」

所有している不動産を売却する際に、多くの方が直面するのが「建物をどうするか」という問題です。
大きな選択肢としては、次の3つがあります。


①解体して更地にしてから売却する
②売買契約後に解体して引渡す(解体更地渡し)
③現況のまま売却する(古家付土地・現況渡し)



最適な方針はケースバイケースですが、それぞれの特徴を理解して判断することが大切です。
その前提として、まず「解体」について知っておきましょう。

解体とは

解体とは、文字通り、建物を壊して撤去することです。
ただし、実際に解体してみないと分からない不確定要素が多く存在します。

代表的なものが 地中埋設物アスベスト です。

  • 地中埋設物

    地中埋設物は、5件に1件ほどの割合で見つかるとされており、実際に解体してみなければわからないため、追加費用が発生する可能性があります。
    用地仕入のプロである建売会社でも事前に見極めることは難しいため、注意が必要です。



  • アスベスト
    アスベストは、吸引すると健康被害を及ぼす恐れがあるため、法律で厳しく規制されています。2022年からは、解体工事前に原則として「事前調査」の実施と行政への届出が義務化されました。該当する場合は専門業者による除去作業が必要で、解体費用や工期に大きな影響を与えます。



また、解体費用は前面道路の幅員・土地の形状・重機の進入可否・搬出経路などによって大きく変わります。業者によって金額差もあるため、相見積もりを取ることがおすすめです。


建物を解体して更地で売り出す

メリット

  • 売りやすい:特に都市部では買主が建築をイメージしやすく、高値で成約する可能性があります。
  • 契約後の引渡しがスムーズ:すでに更地のため、引渡しに時間がかかりません。

デメリット

  • 解体費用が発生する:数百万円単位のコストがかかります。
  • 固定資産税が増える:住宅を解体すると住宅用地特例(小規模宅地等の軽減)が使えず、翌年から税負担が上がります(基準日は1月1日時点)。
  • 再建築できないリスク:市街化調整区域や既存不適格の建物では、解体すると再建築ができない場合があります。
  • リフォーム需要を逃す:古家をリフォームして住みたい顧客層にはアピールできません。

💬 コメント

売りやすく、買主にとってイメージしやすいことは最大のメリットです。
古家付のまま販売される物件が多い中で、買主側の負担を取り除いている点は差別化ポイントとなります。
資金に余裕がある場合や、立地条件が良い土地では、解体して販売にチャレンジする価値は大きいといえます。


売買契約後に解体して引渡す(解体更地渡し)

メリット

  • 資金負担を後回しにできる:解体費用を契約後に支払うため、売却開始時に資金を用意する必要がありません。
  • 販売活動を早く始められる:現況のまま広告を出せるため、スピード感を持って販売できます。


デメリット

  • トラブルの可能性:解体中に近隣とのトラブルや工期遅延が発生することがあります。
  • 契約解除時のリスク:手付金を利用して解体した場合、契約解除になると資金の捻出が難しくなることがあります。
  • 更地の定義が曖昧:何をどこまで解体するか、例えば樹木は伐採でよいのか伐根まで必要かなど、契約書で明確にしておかないと後に揉めます。
  • 引渡しが遅れる:解体工事期間が加わるため、引渡しまで時間がかかります。
  • 追加費用のリスク:アスベストや地中埋設物が見つかると、費用増加や工期延長につながります。


💬 コメント

買主にとっては「売主が解体してくれる」という点は安心材料になりますが、引渡しまでの時間や不確定要素をどう調整するかがポイントです。


建物がある状態で引渡す(古家付土地・現況渡し)

メリット

  • 売主の負担が少ない:解体費用をかけずに売却できます。
  • リフォーム需要に対応できる:建物をそのまま活用したい層や、好きなタイミングで解体したい買主にとって選択肢が広がります。

デメリット

  • 価格が下がりやすい:買主が解体費用を見込むため、価格交渉で値下げされやすいです。
  • 需要が限定される:古い建物は印象が悪くなり、購入希望者が限られる傾向があります。


💬 コメント

「解体費用を負担できない」「手間をかけずに売却したい」という方に向いています。
ただし、解体費用は年々上昇しており、アスベストや埋設物など解体して初めて判明するリスクもあるため、買主から敬遠されることもあり、更地よりは売却に時間がかかるケースがあります。

まとめ

ご自身の状況や建物の状態を踏まえて判断することが大切です。

建物の利用が不可で、かつ資金にゆとりがある → 更地

・資金負担を少なくしながら、更地としてスムーズに売却したい→ 解体後引渡し

・コストや手間をかけず売却をしたい → 現況渡し

いずれの場合も、解体費用や税金の影響、地域の需要を総合的に踏まえて判断することが重要です。
場合によっては、不動産会社による買取査定を併せて検討することで、より幅広い選択肢を持つことができます。

土地の売却や解体方法でお悩みの方は、ぜひ HEIBEI不動産までお問い合わせください